退職代行とは?流れ・料金相場・失敗しない選び方【2026年7月最新】
更新日: 2026年7月17日
「明日、会社に行きたくない」「退職を切り出したら何を言われるか分からない」——そんな状態のとき、あなたの代わりに会社へ退職の意思を伝えてくれるのが退職代行サービスです。
この記事では、退職代行を一度も使ったことがない方に向けて、仕組み・法的な根拠・料金相場・利用の流れ・失敗しない選び方まで、この1本で判断できるレベルまで解説します。当サイトは32社の退職代行業者データベースと利用者の実体験口コミを運営しており、その実データにもとづいた内容です。
- 退職代行で「できること・できないこと」が分かる
- 会社の同意がなくても辞められる法的な理由が分かる
- 自分が民間型・労働組合型・弁護士型のどれを選ぶべきか分かる
- 依頼から退職完了までの具体的な流れと準備物が分かる
この記事の目次
退職代行とは:あなたの代わりに「辞めます」を伝えるサービス
退職代行とは、労働者本人に代わって勤務先に退職の意思を伝達し、退職に必要な連絡の窓口となるサービスです。依頼者は業者への相談・支払い・ヒアリング以降、会社の誰とも直接話すことなく退職日を迎えられるのが基本的な形です。
2010年代後半にサービスとして広まり、現在では若手社会人を中心に一般的な選択肢として定着しました。テレビやSNSで話題になった「モームリ」のような大手から、弁護士法人が直接運営するものまで、当サイトが把握しているだけでも数十社が営業しています。
なぜここまで広がったのか
背景には日本の職場特有の事情があります。人手不足を理由とした強い引き止め、「退職=裏切り」という空気、退職届を受け取らない上司——本来は本人が一言「辞めます」と言えば済むはずのことが、心理的にも実務的にも異常に難しくなっている職場が少なくありません。退職代行は、この「言い出せない」を第三者が肩代わりする仕組みとして需要が拡大しました。
法的な根拠:会社の同意がなくても退職できる
「会社が認めてくれないと辞められないのでは?」——これが最も多い誤解です。結論、退職に会社の同意は不要です。
民法627条:申し入れから2週間で退職成立
期間の定めのない雇用契約(いわゆる正社員)の場合、民法627条により、退職を申し入れてから2週間が経過すれば雇用契約は終了します。会社が「認めない」「後任が見つかるまで待て」と言っても、法律上の効力はありません。退職は労働者の一方的な意思表示で成立する権利です。
契約社員(有期雇用)の場合
契約期間の定めがある場合は原則として期間満了までの勤務が求められますが、例外があります。民法628条の「やむを得ない事由」(心身の不調、ハラスメント、家庭の事情など)があれば期間中でも退職できますし、契約初日から1年を経過していれば、労働基準法附則137条によりいつでも退職を申し出られます。有期雇用の方は依頼時に契約形態を必ず伝えてください。
「就業規則で退職は3ヶ月前申告」は有効?
就業規則に「退職は3ヶ月前に申し出ること」とあっても、民法627条の2週間ルールが優先されるというのが一般的な解釈です。就業規則を理由に退職を先延ばしにされる法的義務はありません。
退職代行に「できること」と「できないこと」
ここが退職代行選びの最重要ポイントです。退職代行は誰が運営しているかによって、法律上できる範囲が3段階に分かれます。
| 行為 | 民間型 | 労働組合型 | 弁護士型 |
|---|---|---|---|
| 退職意思の伝達 | ◯ | ◯ | ◯ |
| 会社からの連絡の窓口 | ◯ | ◯ | ◯ |
| 有給消化・退職日の交渉 | × | ◯ | ◯ |
| 未払い給与・残業代の請求 | × | △(交渉まで) | ◯ |
| 退職金の請求・増額交渉 | × | △(交渉まで) | ◯ |
| 損害賠償請求への反論・示談 | × | × | ◯ |
| 訴訟対応 | × | × | ◯ |
| 公務員の退職 | × | × | ◯ |
民間業者が「交渉」を行うと弁護士法72条違反(非弁行為)になります。この線引きの詳細と違法業者の見分け方は非弁行為の解説記事で、3タイプの選び方はタイプ別の徹底比較記事で詳しく解説しています。
料金相場:タイプ別の実データ
当サイトに掲載している32社の実データにもとづく、2026年時点の料金相場です。
| 運営タイプ | 正社員の相場 | アルバイトの相場 | 当サイト掲載の実例 |
|---|---|---|---|
| 民間型 | 15,000〜27,000円 | 9,800〜27,000円 | EXIT 15,000円/モームリ 22,000円/辞めるんです 27,000円 |
| 労働組合型 | 12,000〜30,000円 | 9,800〜30,000円 | CLEAR 14,000円/ガーディアン 19,800円/OITOMA 20,000円 |
| 弁護士型 | 19,800〜55,000円+成功報酬 | 同左 | アディーレ 19,800円〜/みやび 27,500円〜/退職110番 43,800円 |
注意したいのは「本体価格+α」の存在です。労働組合型の組合費(1,000〜2,000円程度)、後払い手数料(3,000〜9,000円)、弁護士型の成功報酬(回収額の20〜30%が目安)など、総額で比較しないと安いつもりが高くつくことがあります。最新の料金は安い順ランキングで一覧できます(当サイトは毎月、公式サイトの料金表記を確認して更新しています)。
利用の流れ:相談から退職完了までの7ステップ
- 無料相談(LINEが主流):ほとんどの業者がLINEで24時間受け付けています。この段階では匿名相談が可能な業者も多く、料金や流れの質問だけでもOKです
- 申し込みと支払い:銀行振込・クレジットカードが基本。手持ちがない場合は後払い対応業者という選択肢もあります
- ヒアリングシートの記入:会社名・所属・雇用形態・入社日・有給残日数・希望退職日・会社への要望(私物の郵送、連絡不要の依頼など)を伝えます
- 実行日の決定:「明日の朝イチで連絡してほしい」といった指定が可能。即日対応の仕組みはこちら
- 業者が会社へ連絡:この時点からあなたは出社不要。会社からあなたへ直接連絡しないよう業者が要請します
- 書類・貸与物のやりとり(すべて郵送):退職届(フォーマットは業者がくれます)、健康保険証、社員証、制服などを会社へ郵送。会社からは離職票・源泉徴収票・年金手帳等を受け取ります
- 退職完了:有給消化または2週間の経過をもって退職成立。業者から完了報告を受けます
依頼前に手元に揃えておくとスムーズなもの
- 雇用契約書または労働条件通知書(雇用形態・契約期間の確認用)
- 直近の給与明細(有給残日数・未払いの確認用)
- 会社の貸与物リスト(PC・スマホ・制服・鍵・保険証)
- 会社の連絡先(本社と所属部署の電話番号)
退職代行を使うべき人・自分で言えばいい人
退職代行は万能ではなく、向き不向きがあります。正直に整理します。
使う価値が高いケース
- 退職を切り出したが強く引き止められた・受け取ってもらえなかった
- 上司のパワハラ等で、対面や電話で話すこと自体が精神的に困難
- 人手不足の職場で「辞めたら周りに何をされるか分からない」不安がある
- すでに心身に不調が出ていて、1日でも早く職場から離れる必要がある
- 有給消化や未払い賃金など、会社と揉めそうな論点がある(→労働組合型・弁護士型)
自分で伝えれば十分なケース
- 円満な職場で、単に手続きとして退職したい(退職届の提出で完結します)
- 転職先が決まっていて、通常の引き継ぎ期間を確保できる
迷う場合は、5つの質問であなたの状況に合うタイプを判定する無料タイプ診断(30秒)を用意しています。
メリットとデメリット・リスク
メリット
- 即日から出社不要にできる:依頼当日に会社への連絡まで完了するのが標準的
- 引き止め・説得を一切受けずに済む:連絡窓口が業者に一本化される
- 感情的な衝突を避けられる:第三者を挟むことでお互い事務的に処理できる
- 権利の取りこぼしを防げる(労組型・弁護士型):有給消化や未払い分の請求など、1人では言い出しにくい主張を代行してもらえる
デメリット・リスク
- 費用がかかる:1.2万〜5万円。自分で言えばタダのことにお金を払う、という事実は変わりません
- 会社の人間関係は事実上リセットされる:円満退職の形は取りにくく、同僚との関係を続けたい人には不向きです
- 悪質業者のリスク:交渉できないのに「交渉します」とうたう違法業者、連絡が雑で退職処理が宙に浮く業者の報告があります。見分け方はこちら
- 使っても解決しないものがある:転職活動、失業保険の手続き、次の職場探しは自分で進める必要があります
失敗しない業者選び:7つのチェックリスト
- 運営元が明記されているか:会社名・労働組合名・弁護士名が確認できない業者は候補から外す
- 自分の目的と業者タイプが一致しているか:交渉が必要なのに民間型を選んでいないか(タイプの選び方)
- 料金が「総額」で明示されているか:追加費用・組合費・後払い手数料まで含めて確認
- 返金保証の条件が明文化されているか:「退職できなければ全額返金」の条件と手続きを事前に確認
- 即日対応・深夜対応など、自分の状況に合うか
- 雇用形態に対応しているか:契約社員・派遣・公務員は対応可否が分かれます(公務員の場合)
- 第三者の場にある口コミを確認したか:公式サイトの「お客様の声」ではなく、当サイトのような第三者掲載の体験談で、悪い口コミも含めて確認する
よくある質問
Q. 退職代行を使うと会社から訴えられませんか?
A. 退職は法律上の権利であり、退職代行の利用を理由とした損害賠償が認められた例は極めて稀です。リスクになるのは退職ではなく、無断欠勤の放置や機密の持ち出しなど退職とは別の行為です。
Q. 親や家族に知られずに退職できますか?
A. 業者は会社に対して本人以外へ連絡しないよう要請するのが一般的です。ただし法的強制力はなく、会社が緊急連絡先に連絡する可能性はゼロではありません。心配な場合は依頼時に必ず相談してください。
Q. 即日で本当に辞められますか?
A. 依頼した当日から出社しない状態を作ることは可能です。法律上の退職成立は原則2週間後ですが、その期間を有給消化または欠勤で過ごすのが一般的です。詳しくは即日退職の解説記事をご覧ください。
Q. 退職代行の利用は転職先にバレますか?
A. 退職代行の利用が転職先に通知される仕組みはありません。前職の退職理由の詳細を転職先に伝えることは、個人情報保護の観点から通常行われません。
Q. ボーナス(賞与)をもらってから辞められますか?
A. 支給日に在籍していれば受け取れるのが原則です。支給日直後に実行日を設定する利用者も多くいます。ただし就業規則の支給条件によるため、気になる場合は労働組合型以上の業者に相談してください。
Q. 会社の寮に住んでいても使えますか?
A. 使えますが、退去期限の調整という「交渉」が発生しやすいため、労働組合型か弁護士型をおすすめします。依頼時に必ず寮の件を伝えてください。
退職代行で辞めた後にやること(忘れると損する手続き)
退職代行の仕事は退職の成立までです。その後の手続きは自分で進める必要があり、ここでつまずく人が意外と多いので整理しておきます。
- 健康保険の切り替え(14日以内):国民健康保険への加入、任意継続(退職後20日以内)、家族の扶養に入る、の3択。市区町村の窓口で手続きします
- 年金の切り替え(14日以内):厚生年金から国民年金へ。免除・猶予制度もあるので収入がない期間は必ず窓口で相談を
- 失業保険(雇用保険の基本手当):会社から届く離職票を持ってハローワークへ。自己都合退職は給付制限期間がある点に注意
- 住民税:給与天引きが止まるため、後日届く納付書での支払いに切り替わります。「辞めた翌年の住民税」は前年の収入で計算されるため、資金を残しておきましょう
- 源泉徴収票の保管:転職先での年末調整、または自分で確定申告する際に必須です
離職票が届かない・源泉徴収票をくれないなどのトラブルは、退職後でも業者経由で催促できる場合があります(アフターフォロー期間は業者により異なるので依頼時に確認を)。
2026年の退職代行業界で知っておくべき動き
退職代行業界は2025〜2026年に大きな転換点を迎えました。最大手クラスだったモームリの運営会社が弁護士法違反の疑いで捜査を受け、2026年2月には代表が逮捕、その後代表交代を経てサービスを再開するという出来事があったのです(経緯の詳細はこちら)。
この件が利用者に残した教訓は明確です。知名度と適法性は別物であり、「誰が・どんな法的根拠で運営しているか」を確認してから依頼することが自衛になるということ。当サイトが業者ごとに運営元・運営タイプを明記し、実際の利用者の口コミを審査して掲載しているのは、この確認を誰でもできるようにするためです。
まとめ:退職は権利。ただし業者選びで結果が変わる
退職代行は「甘え」ではなく、法律で保障された退職の権利を安全に行使するための手段です。ポイントは3つだけ覚えてください。
- 退職に会社の同意は不要(民法627条・2週間ルール)
- 業者タイプで「できること」が法律で決まっている(交渉が必要なら労働組合型以上)
- 総額の料金と、第三者の場にある口コミで業者を選ぶ