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退職代行の「非弁行為」とは?違法業者を見分ける5つのチェックポイント

更新日: 2026年7月17日

退職代行業界のニュースでたびたび登場する「非弁行為(ひべんこうい)」。2026年にはモームリ運営会社の代表が弁護士法違反の疑いで逮捕される事件もあり(経緯はこちらの記事参照)、業者選びで避けて通れないテーマになりました。難しい言葉ですが、仕組みはシンプルです。

非弁行為とは:弁護士にしかできないことを、報酬目的でやること

弁護士法72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で「法律事務」を扱うことを禁止しています。退職代行の文脈では、たとえば次の行為が該当し得ます。

  • 民間業者が会社と退職条件を「交渉」する(退職日の調整、有給消化の交渉、退職金の増額要求など)
  • 未払い残業代の請求を代行する
  • 会社からの損害賠償の主張に反論・示談する

民間業者に許されるのは、本人の意思をそのまま伝える「使者」としての伝達のみ。一線を越えた瞬間に違法行為となります。

なぜ利用者にとって問題なのか

「違法でも辞められればいい」とはなりません。非弁行為をする業者に依頼すると、①交渉が法的に無効と扱われるリスク ②会社側が「違法業者とは話さない」と対応を拒否するリスク ③トラブル時に守ってくれる後ろ盾がないという実害があなたに返ってきます。

違法リスクの高い業者を見分ける5つのチェックポイント

  1. 民間なのに「交渉できます」とうたっていないか:最重要。「会社と交渉して有給を勝ち取ります」と書く民間業者は危険信号
  2. 運営元が明記されているか:会社名・住所・労働組合名が確認できない業者は論外
  3. 労働組合型なら組合の実体があるか:組合名で検索して活動実態が確認できるか。当サイトでは各業者ページに運営組合名を掲載しています
  4. 料金体系が明朗か:後から追加費用を求める業者はトラブル報告が多い傾向
  5. 「弁護士監修」を「弁護士対応」と混同させていないか:監修は適法性のチェックのみ。弁護士が動くわけではありません

安全に選ぶなら

交渉が必要なら団体交渉権という法的裏付けのある労働組合型、金銭請求まであるなら弁護士型。伝達だけでよければ、できることを正直に説明している民間型。この対応関係を守れば非弁リスクは避けられます。

実際に問題になった事例:業界の歴史から学ぶ

非弁の議論は机上の話ではありません。業界では実際に摘発・行政指導の事例が積み重なってきました。

  • 2026年・モームリ事件:業界最大手クラスの運営会社代表が弁護士法違反の疑いで逮捕。問題とされたのは弁護士への顧客紹介と紹介料(非弁提携)の疑いでした。詳細な経緯はこちら
  • 「交渉込み」をうたった民間業者への警鐘:弁護士会は以前から、民間業者による退職条件の交渉が弁護士法72条に抵触するおそれを繰り返し指摘しています
  • 名ばかり労働組合の問題化:組合の形だけ作り実体のない団体交渉を掲げる業者の存在が指摘され、労働委員会の資格証明を明示する組合との差が鮮明になっています

流れとして、業界は「摘発によってグレーが黒と確定していく」段階にあります。利用者としては、この線引きを知っている業者=説明が正直な業者を選ぶことがそのまま自衛になります。

もし非弁の疑いがある業者に依頼してしまったら

  1. 退職自体は有効なので慌てない:あなたの退職の意思表示は業者の適法性と関係なく効力を持ちます
  2. 「交渉結果」は宙に浮く可能性がある:違法な交渉で得た合意を会社が無視しても、押し返す手段がありません。有給や未払い金が未回収なら、労働組合型・弁護士型に依頼し直すか、労基署・弁護士に相談を
  3. 返金を求める余地がある:「できないことをできる」と説明されていた場合、消費者契約法にもとづく取消し・返金請求の余地があります。国民生活センター(188)にも相談できます

紛らわしい表記の読み解き方:3つの「弁護士〇〇」

「弁護士監修」

サービスの仕組みや案内文書を弁護士がチェックしたという意味です。あなたの退職に弁護士は登場しません。できることは通常の民間型と同一で、交渉はできません。監修表記そのものは適法ですが、「監修があるから交渉も安心」と誤読させる見せ方をしている業者には注意が必要です。

「顧問弁護士がいます」

会社としての法律相談先を持っているという意味で、これも利用者の代理をする話ではありません。トラブル時に「顧問弁護士に相談のうえ対応します」と言われても、あなたの代理人になるわけではない点は同じです。

「提携弁護士を紹介できます」

ここが最も注意すべき表記です。紹介自体は状況により適法ですが、業者が紹介の対価(紹介料)を受け取ると非弁提携(弁護士法27条・72条関連)の問題が生じ得ます。モームリ事件で問題とされたのはまさにこの構造でした。交渉や請求が必要になりそうなら、紹介を経由せず最初から自分で弁護士型に依頼する方が、法的にもコスト的にもクリーンです。

依頼前の最終チェック:この5問に答えられる業者か

  1. 「運営元はどこですか?」→ 会社名・組合名・弁護士名を即答できるか
  2. 「御社は会社と交渉できますか?その法的根拠は?」→ 民間型なら「できません」が正解。ここで「できます」と言う民間業者は退場
  3. 「労働組合の資格証明はありますか?」→ 労働委員会の資格証明の有無
  4. 「追加料金は一切ありませんか?」→ 総額を書面・チャットの記録で確認
  5. 「退職できなかった場合の返金条件は?」→ 条件の明文化を確認

この5問への回答が渋い時点で、その業者は候補から外して構いません。当サイトの業者一覧では運営元と運営タイプを全業者で明記しています。

よくある質問

Q. 非弁行為の業者を使ってしまったら、利用者も罰せられますか?

A. 処罰対象は業者側であり、利用者が刑事責任を問われることは基本的にありません。ただし交渉の効力などで不利益を被る可能性はあるため、業者選びの段階で避けるのが賢明です。


Q. 労働組合型はなぜ交渉しても違法にならないのですか?

A. 労働組合の団体交渉は憲法28条と労働組合法で保障された正当な組合活動であり、弁護士法72条の例外として扱われるためです。


Q. 行政書士や社労士の退職代行は大丈夫ですか?

A. 書類作成など各士業の業務範囲内の対応は適法ですが、会社との交渉はできません。交渉が必要なケースでは労働組合型か弁護士型を選んでください。

この記事を書いた人:退職代行の口コミ.com 編集部

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